シルデナフィルの併用禁忌
シルデナフィルの併用禁忌薬(同時に服用してはいけない薬)には、主に以下のものがあります。これらを併用すると、危険な副作用や重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
1. 硝酸薬(ニトログリセリン、硝酸イソソルビドなど)
- 硝酸薬は、狭心症や心臓病の治療に用いられ、血管を拡張させる作用があります。シルデナフィルも同様に血管を拡張する作用があるため、併用すると急激に血圧が低下し、命に関わる危険な状態(重度の低血圧、失神、心筋梗塞など)を引き起こす可能性があります。
2. リオシグアト(Riociguat)
- リオシグアトは、肺動脈性肺高血圧症(PAH)の治療に使用される薬です。シルデナフィルとリオシグアトを併用すると、強力な血管拡張が起こり、血圧の危険な低下を引き起こす可能性があります。
3. プロテアーゼ阻害薬(HIV治療薬)
- リトナビル、サキナビルなどのHIV治療薬は、シルデナフィルの分解を抑制し、その血中濃度を大幅に上昇させることがあります。これにより、副作用のリスクが高まるため、慎重に使用する必要があります。併用する場合は、シルデナフィルの用量を大幅に減らす必要があります。
4. アルファ遮断薬
- ドキサゾシンやタムスロシンなどのアルファ遮断薬は、前立腺肥大症や高血圧の治療に用いられます。シルデナフィルとアルファ遮断薬の併用は、急激な血圧低下を引き起こし、立ちくらみや失神を伴うことがあります。これらの薬を使用している場合は、医師の指導のもと、慎重にシルデナフィルを服用する必要があります。
5. 一酸化窒素供与薬(NO供与薬)
- 亜硝酸アミル(いわゆる「ポッパー」としても知られる)は、NO供与薬であり、シルデナフィルと併用すると血圧の急激な低下を引き起こします。非常に危険なため、併用は厳禁です。
6. CYP3A4阻害薬
- クラリスロマイシン、イトラコナゾール、ケトコナゾールなどの薬は、シルデナフィルを代謝する肝臓の酵素(CYP3A4)を阻害します。その結果、シルデナフィルの血中濃度が上昇し、効果や副作用が増強されることがあります。医師の管理下で使用する必要があります。
7. 抗不整脈薬(アミオダロン、キニジンなど)
- これらの薬は心臓のリズムを調整するために使用されますが、シルデナフィルと併用すると、心臓の働きに悪影響を及ぼす可能性があります。
8. グレープフルーツジュース
- グレープフルーツジュースはシルデナフィルの代謝を抑制し、薬の血中濃度を高める可能性があります。これにより、副作用のリスクが増加します。
9. その他
- 他にも、併用注意薬として高血圧治療薬、抗真菌薬、抗生物質などがあり、シルデナフィルの使用前には医師に現在服用中のすべての薬について確認することが重要です。
併用することで危険が生じる薬が多いため、シルデナフィルを使用する前には必ず医師や薬剤師に相談し、使用中の薬剤や健康状態を伝えることが非常に重要です。