バイアグラとは
バイアグラ(Viagra)とは、勃起不全(ED:Erectile Dysfunction)の治療薬として最もよく知られている医薬品です。
基本情報
- 一般名(有効成分): シルデナフィルクエン酸塩(Sildenafil Citrate)
- 開発会社: ファイザー(Pfizer, アメリカ)
- 承認年: 1998年(アメリカ)、1999年(日本)
- 剤形: 錠剤(25mg、50mg、100mg など)
- 区分: 医師の処方が必要な医療用医薬品(処方箋医薬品)
作用機序(どう効くのか)
勃起は、性的刺激によって陰茎海綿体の血管が拡張し、血液が流れ込むことで起こります。
この反応を制御している酵素に「PDE5(ホスホジエステラーゼ5)」があります。
- PDE5は、勃起を終わらせる(血管を収縮させる)働きをします。
- バイアグラはPDE5を阻害することで、陰茎内の血流を維持し、勃起を助けます。
性的刺激がない状態では効果がありません。
自然な興奮に対してのみ作用を補助する薬です。
効果発現と持続時間
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 効果発現時間 | 約30〜60分後 |
| 効果持続時間 | 約4〜6時間 |
| 食事の影響 | 高脂肪食をとると効果が弱まる・遅れることがあります |
主な副作用
| 症状 | 説明 |
|---|---|
| 顔のほてり・紅潮 | 血管拡張作用によるもの |
| 頭痛 | 血管拡張による一過性の頭痛 |
| 鼻づまり | 鼻粘膜の血管拡張 |
| 消化不良 | 胃への血流変化 |
| 視覚異常(青っぽく見える) | PDE6への軽度作用による |
※まれに、胸痛・強いめまい・長時間の勃起(4時間以上)などが出た場合は緊急受診が必要です。
禁忌(使用してはいけない人)
- 硝酸薬(ニトログリセリンなど)を使用中の人
→ 血圧が危険なほど下がる恐れがあります。 - 重い心疾患・脳血管障害のある人
- 低血圧または重度の肝障害のある人
- 網膜色素変性症のある人(視覚異常のリスク)
類似薬(PDE5阻害薬)
| 薬剤名 | 一般名 | 特徴 |
|---|---|---|
| レビトラ | バルデナフィル | 効果がやや強く、食事の影響が少ない |
| シアリス | タダラフィル | 効果持続が長い(約36時間) |
補足:誤解されやすい点
- バイアグラは媚薬ではなく、性的欲求(リビドー)を高める薬ではありません。
- 性的刺激があってはじめて効果が出る補助薬です。
- 正常な勃起機能の人が服用しても、通常それ以上の効果はありません。

