シルデナフィルの用法及び用量、関連する注意
シルデナフィルの用法および用量、および関連する注意事項について説明します。
1. 勃起不全(ED)の場合
用法・用量
- 通常の成人: 1回あたり25~50mgを、性行為の約1時間前に服用します。
- 効果の持続時間: 効果は、服用後30分から1時間程度で現れ、約4時間程度持続します。性行為を計画して服用するため、性的な刺激があるときにのみ効果を発揮します。
- 最大摂取量: 1回あたり100mgまでとされており、24時間以内に複数回服用してはいけません。
- 服用頻度: 1日1回までです。
服用時のポイント
- 空腹時に服用すると、効果がより早く現れることが多いです。脂肪分の多い食事を摂取すると、薬の吸収が遅れ、効果が現れるまでに時間がかかることがあります。
- アルコールの摂取は、シルデナフィルの効果を低下させたり、副作用を強める可能性があるため、適度な量に留めるか、避けることが推奨されます。
注意事項
- 初回服用時は、25mgの少量から開始することが推奨されます。個々の反応を確認し、副作用や効果を見ながら増量することが一般的です。
- 年齢や健康状態、特定の薬を服用しているかによって、用量が調整されることがあります。特に、高齢者や肝臓・腎臓の機能が低下している方は、低用量から始める必要がある場合があります。
2. 肺動脈性肺高血圧症(PAH)の場合
用法・用量
- 通常の成人: 1回20mgを、1日3回、6~8時間おきに服用します。
- 服用は、食事の影響をあまり受けないため、食事の前後を問わず摂取できます。
注意事項
- PAHの治療は、ED治療とは異なり、定期的に服用することが重要です。自己判断で服用を中止したり、増量したりしないようにします。
- 他の治療薬との相互作用や、血圧への影響を考慮し、医師の指導の下で慎重に管理されます。
3. 併用注意・禁忌薬についての注意
シルデナフィルは、いくつかの薬剤と併用することで、危険な副作用を引き起こす可能性があります。特に注意が必要な薬剤は以下の通りです。
禁忌薬
- 硝酸薬(ニトログリセリンなど): 血圧が急激に低下する危険性があるため、併用は厳禁です。
- リオシグアト(肺高血圧症の治療薬): 血圧が過剰に低下する危険があります。
併用注意薬
- アルファ遮断薬(前立腺肥大症や高血圧治療に使用): 併用時には、血圧が急激に低下することがあるため、慎重に管理する必要があります。
- CYP3A4阻害薬(クラリスロマイシン、イトラコナゾールなど): シルデナフィルの代謝が遅れ、血中濃度が上昇し、効果や副作用が強くなる可能性があります。
4. 服用時の注意点
- 持病がある場合: 心疾患、肝臓病、腎臓病、高血圧や低血圧などの病気を持っている場合は、医師に相談してから使用する必要があります。
- 視覚・聴覚の異常: 服用後に視覚や聴覚に異常が出た場合は、直ちに服用を中止し、医師に相談する必要があります。特に急激な視力低下や失明、聴力低下の症状が報告されています。
5. 副作用の管理
- 一般的な副作用には、頭痛、顔のほてり、消化不良、視覚異常(青みがかって見える)などがあります。これらは軽度で一過性のものが多いです。
- 重篤な副作用として、4時間以上勃起が続く(持続勃起症)場合や、胸痛、急激な視力低下、聴力障害などが発生した場合は、直ちに医療機関を受診してください。
シルデナフィルを安全に使用するためには、用法・用量を守り、医師の指示に従うことが重要です。